トップ> お知らせ


人間としての在り方生き方を考える教育 報告書

 

 

 

(様式4)

推進校(又は推進地域)別事業実績報告書

 

 

 

 

<取組と成果のポイント>

取組:生徒の内面に根ざした道徳性を養うこととのかかわりにおいて道徳的実践力を高め、その際に自立の精神、社会連帯の精神、義務を果たし責任を重んずる態度、人権を尊重する態度を養い、その集大成として「現代高校生モラル・マナー集」を作成する。

成果:「現代高校生モラル・マナー集」の作成にあたり、生徒自身からモラル・マナー違反であるという事例が出されるようになり、善悪の判断をつけられるようになってきたが、実際にモラル・マナーを守れるか否かはまた別の問題であることが再認識された。

 

 

 

 

 

1 推進校(又は推進地域)の概要等

 

 

 

 

 

 

 

 

推進地域名

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校名

 

所在地

 

電話番号

 

児童生徒数

 

備考

神奈川県立(かながわけんりつ)(すげ)高等学校(こうとうがっこう)

神奈川県川崎市多摩区菅馬場4-2-1

044-944-4141

750名

 

 

 

 

 

 

2 研究課題

<1>「自立の精神」の育成に向けた取組

<2>「社会連携の精神」の育成を図る取組

<3>義務を果たし責任を重んずる態度を育成する取組

<4>人権を尊重し他者を思いやる態度を育成する取組

<5>その他研修および視察等

<6>現代高校生モラル・マナー集の作成

3 研究主題とその設定理由

「一人ひとりが健康で美しい心をもち、情操豊かで健全な人間を育てる」という本校の教育目標と、学年目標である「自律と自立」の育成について、生徒自身が道徳的価値の自覚を深め発展させ、道徳的実践力を高められるようにすることを研究主題とした。改革Ⅰ期(平成16年度~18年度)の成果として、基本的な生活習慣や授業への取り組みについてある程度ルール・マナーが守れるようになった現状を踏まえたもので、ルールの中で自分を鍛えていきながら、自律の精神、社会連帯の精神、義務を果たし責任を重んずる態度、人権を尊重する態度を身に付けることを目標とした。

 

4 研究の概要及び特色

(1)研究の体制

 生活指導グループ内のモラル・マナー教育企画を核として全職員による取組とした。LHRや「総合的な学習の時間」を活用しながら生徒自らが行動を振り返り、モラル・マナーへの意識の向上を促し、生徒自身が主体的に考え、何が問題であるかを発見できるような人格形成を目指す。

 

(2)研究課題ごとの取組の状況

 <1>「自立の精神」の育成に向けた取組

ア 新入生オリエンテーション合宿(4月22日、23日)

本校での生活・学習を知ることで3年間の学校生活の基盤をつくること、グループ作業を通してクラス・学年の親睦を図ることを目的として、愛川ふれあいの村(愛甲郡愛川町半原3390)にて実施した。その中で、Benesse の自己発見リサーチ[希望進路・職業について(大切にしたい「考え方」、興味・関心)・行動タイプ発見・学問について(興味・関心)・自分らしさ発見・進路と学習について]を行い、これからの学校生活がどうあるべきかを考える時間を持つことができた。

 

イ 学校・企業見学会(6月6日)

3学年生徒を対象に、本校生徒の入学実績があり、今年も志望者が出ると思われる学校や、就職希望者向けに大日本印刷、コモディイイダ、多摩区役所、多摩警察署、多摩消防署を見学した。参加は生徒の希望を優先し、興味・関心のある分野の情報を得ることで、進路実現の意識を高めることに留意した。

 

ウ 進路ガイダンス(6月6日)

2年生を対象に、進学のための基礎的な知識、就職に向けて求められる人物像や社会人として必要最低限のマナーについて知ることを目的として、大学・短期大学・専門学校の講師による22種の分野ごとに講演・模擬授業・実習を実施した。45分3コマの限られた時間の中で、生徒自身の進路実現に向けた意識の伸長と、就職に向けたより具体的な方策を学べるよう留意した。

 

エ 職員研修(7月15日)

   「生徒の携帯電話・ネットでのトラブルにどう対応するか」と題し、高等学校に最近まで勤めていた、くらし安全指導員による職員研修を行った。携帯電話やインターネットにまつわる生徒を取り巻く環境への理解が深まり、トラブルを未然に防ぐ術を確認することができた。

 

オ 学校・企業見学会(11月7日)

2学年生徒を対象に、文系大学・理系大学・短大・専門学校・企業(ビックヨーサン港北ニュータウン店、(株)味の素川崎工場)を見学した。実施するにあたり、生徒の希望進路実現へ近づけるため、生徒の見学希望を優先し、興味・関心のある分野を見学し、その情報を得られるよう留意した。

 

カ 進路ガイダンス(1月16日)

   1学年の生徒を対象に、大学・専門学校の講師による授業・実習を実施した。45分の講座を25コマ設定し、生徒各々が興味ある分野2講座を選択した。分野別の体験授業を受けることで、それまでの興味・関心を将来の進路選択の意識へとつなげ、自分自身の学校生活を見つめ直す機会となった。

 

 <2>「社会連帯の精神」の育成を図る取組

ア 地域清掃(3月17日)

ISO14001の活動のひとつとして、地域の環境活動に貢献するために、通学路を中心とした地域の清掃活動を行った。学校が地域の中で果たすべき役割を改めて感じ取り、生徒一人ひとりが地域に貢献することの意義を考えつつ、ポイ捨てを目の当たりにし、ゴミ問題への関心を高める契機となった。

 

イ 多摩遊歩道整備ボランティア(6月8日、12月14日)

PTA主催で、近隣の方々が遊歩道の環境と安全を守るため活動している「こもれびの森づくり」に参加し、遊歩道の安全確保と整備のための下草刈り、竹林の手入れを行った。さわやかな自然の中で、地域の方々と一緒に汗を流したことで、里山の環境が多くの人の手で守られていることを理解する機会となった。

 

ウ 地域ボランティア活動(7月19日、11月15日)

PTA主催で、特別養護老人ホーム緑陽苑に7月、SOL星が丘へは11月に訪問した。緑陽苑は創設当初からの関わりがあり、また今年度は菅高校のそばにあるSOL星ヶ丘へ訪問し、それぞれ室内や窓の清掃などを行った。入居者やスタッフとの交流の幅が広がり、また多くの方から感謝されることで自己肯定感を得ることができた。

 

 <3> 義務を果たし責任を重んずる態度を育成する取組

インターンシップ報告会(10月3日)

昨年度実施したインターンシップ講演会を受け、実際にインターンシップに参加した2年生が体験を報告した。ホンダ販売神奈川、ヘアースタジオCLiC綾瀬店、菅生保育園の各実習に参加した生徒がパワーポイントによるプレゼンテーションで在校生に発表した。実際に体験することで、仕事の難しさや仕事の重要性、進路実現に向けてなすべきことの獲得などが発表され、体験によって得られた仕事の達成感と自己の役割の発見があったことが感じられた。

 

 <4> 人権を尊重し他者を思いやる態度を育成する取組

ア 性教育ビデオ鑑賞(7月14日〜17日)

クラス単位でビデオを視聴し、性にまつわる諸問題について考えさせた。知識だけではなく、性の悩みなど、具体的なものを通して、生徒自身が性についてどのように考え行動すればよいかを深く考えさせることで、道徳性の育成が図られた。また、命の尊厳と自己と他者両方を敬うことの意義を見いだすことができた。

 

イ 性教育講話(9月5日)

「性教育=生きる教育」という視点に立った講話を45分2コマで実施した。7月の性教育ビデオの鑑賞で得た知識を元に、命がどのように生まれ成長していくのかを知り、そこから命の大切さを考えた。また、講話後のピア・カウンセリングを通して、表面的な話だけではなく、生徒自身が命について考え、向き合うことで、自己と他者への理解を深めることができた。

 

ウ 企業協力による「携帯電話教室」講演会(10月31日)

現在の携帯電話によるトラブル頻発の現状を踏まえ、携帯電話の使用において何が問題で、どうすれば防ぐことができるかを、具体的な事例を元に考えた。生徒が携帯電話の安全な使い方の知識やマナー等の理解を深め、トラブルに巻き込まれないための情報モラルを身につけることができた。

 

 <5> その他研修および視察等

ア 神奈川県「人間としての在り方生き方を考える教育」実践研究会(10月31日)

本校を会場として開催された実践研究会で、先に開催された携帯電話教室を踏まえ、協議題「情報モラル・マナー」について、各推進校の進捗状況や取組などの意見が交わされた。各校での、特に携帯電話の扱いについての意見交換が活発になされ、情報モラル・マナー教育の必要性を改めて確認することができた。

 

イ 中学校の「道徳」の研究授業参観(11月13日)

平成20・21年度道徳教育実践研究事業を文部科学省からの委嘱で、平成20・21年度川崎市道徳教育推進研究の指定を川崎市教育委員会から受けている川崎市立生田中学校の公開授業と研究中間発表会を本校職員が参観した。「自ら学ぶ力と生きることを大切に思う心をはぐくむ道徳教育の推進」という研究主題から、生命尊重をテーマとした6クラスの授業であった。神奈川県の道徳「きらめき」を主教材として、地域の人や保護者の体験も交えた授業展開であった。道徳教育で実際の体験談を踏まえることの重要性、様々な人の力を借りることの大切さを感じた。

 

ウ 先進校視察(2月23日)

学校改革が行われているその状況と取り組みについての調査研究をするため、広島県立安西高等学校を訪問した。授業を見学し、また学校での具体的な取組内容の情報交換を行った。「魅力的な教育の中身づくり」と「積極的広報活動」を通した学校経営の進化や改革の方向性、具体的な数値目標を設定しつつその目標達成に向かっていく方法など、貴重な意見を得ることができた。

 

エ 高等学校の講演会参加

横浜市立南高等学校(6月5日)

神奈川県立逗子高等学校(11月5日)

川崎市立川崎高等学校(12月18日)

 

 <6> 「現代高校生モラル・マナー集」の作成

 以上<1>〜<4>の各取組を受けまず4月に在校生全員からモラル・マナー違反と思われる項目をアンケート調査した。集約した結果、213項目の事柄が挙げられた。その項目を元に9月には再度在校生全員に向けて、全213項目のうちモラル・マナー違反であると感じているものをアンケート調査した。その結果、213項目すべてに対し、モラル・マナー違反であると考えている生徒がいることが分かり、特に良くないと思われているものは、ほぼ半数の生徒がそう感じていることが結果から現れた。このように、モラル・マナー違反であると考えられる項目が、生徒自らが挙げられることは、本取組を行ってきた結果であり、モラル・マナーに対する意識が醸成されてきていると考えることができる。

 しかし、良くないと感じていても、実際にその違反をしないか、というと「本当はいけないことだとは分かっているが、ついついやってしまう」という部分も少なからずあるように感じる。ということは、ルールやモラル・マナーを守る、守らないは違反であると知っていることとは別の問題である、ということを感じ取ることができた。

 

5 研究の評価

(研究の成果)

各取組を通して醸成された道徳的価値観を基に、在校生からモラル・マナー意識調査を実施し、その結果と内容の分析を「菅高校モラル・マナー集」として作成、また意識調査にて生徒より自ら出されたモラル・マナー違反の上位項目の標語をプリントしたクリア・ファイルを作成し、規範意識の啓発を行った。菅高校モラル・マナー集では、生徒自らが学校内外でマナー違反と感じているものが200項目以上出され、モラル・マナーへの意識が高まっていることが分かった。

 

(今後の課題と予定している取組)

モラル・マナーへの意識と、実際に行動とは依然として隔たりがある。LHRや「総合的な学習の時間」だけでなく、日常の授業の中で生徒自らが行動を振り返り、モラル・マナーへの意識のさらなる向上を促すことで、生徒自身が主体的に考え、何が問題であり、どのように行動していくべきかを自ら発見し、実際に行動していくことができるような人格形成を目指す。

 

6 参照できるホームページアドレス

http://www.suge-h.pen-kanagawa.ed.jp

 

 



このページのトップへ